| この記事(パート)は、新卒で入社した若者、あるいは転職などでDC制度を初めて利用する人を主な対象として書いています。DCを始める前から資産運用を行っていた人や中級者以上の読者は、読み飛ばして構いません。 ※本記事は、アップデートしていく予定です。 |
このパートの課題とゴール
| 課題 | ゴール |
| DC制度の概要理解 | 転職に弱い点も含めて概要を理解する |
| 毎月の拠出額と購入商品 | ・会社拠出額がいくらか ・何を買っているか ・何が既定商品で自動買付か を把握する |
| 選択制DCやマッチング拠出の有無 | 各制度があるか、どう使えば良いか理解する |
| 自分のDC口座ポータルサイトの確認 | IDとPWの確認、ログイン |
| 配分変更・スイッチング等の基本操作 | ・毎月の拠出で購入する商品の変更(配分変更) ・すでに保有している商品の売却(スイッチング) ができること(操作できれば実行しなくても良い) |
はじめの一歩:制度理解とスキル獲得
企業型DCを導入している会社に入社した場合、新入社員研修(採用者研修)で、DCに関する説明がある。
その際、資料やテキストが渡されるので、まずはそれを復習する。
2、3周回ると理解が深まるだろう。
私は、参考書などのテキストを2-3周しないと覚えきれないが、あなたが若者であれば、1、2回で覚えられるかもしれない。
DCのイメージがつかめたら、次のような疑問が浮かぶと思う。
「何を買えば良いのか」
あるいは
「何をどう組み合わせて、それぞれいくら買えば良いのか」
といった疑問である。
この、実際に購入する商品を選び、組み合わせたものを「ポートフォリオ」という。
DCを運用するには、とりあえずポートフォリオを決める必要がある。
何もしないと、会社がデフォルトで決めた商品(元本確保型のことが多いが、最近はバランスファンドやターゲットデートファンドを設定している場合もある)が買い付けられることになる。
つまり何もしないことも、運用の結果となって現れる。
厳密に言うと、ポートフォリオ作成の前に「アセットアロケーション」という手順があるのだが、DCは各資産クラスにインデックス・アクティブ各1本、またはインデックス1本のみということが多いので、アセットアロケーションはそれほど意識しなくても良い。
ただし、先進国株式を何%、国内株式を何%、債券は何%といった配分は意識してもらいたい。
DCでの運用を始めるにあたって、「自己責任で運用する」と説明されているはずなので、緊張すると思うが、
最初から最適なポートフォリオを作る必要はない。
最初の数年は運用結果をあまり気にしなくていい。
時価評価が良かったとしても、運の要素が強く、逆もしかりである。
長期投資においては、5年未満の期間での運用成績など実力というより偶然の結果と考えるべきである。
そもそも始めから終わりまで不変で完璧なポートフォリオなど存在しない。
個人のキャリアパス、自分や家族の状況、会社の行く末、そして徐々に現実味を帯びていく老後のライフプランなど、入社してから定年を迎えるまで、長い人生の不確定要素は多く、DCのポートフォリオも当然それらの要素の影響を受けるからだ。
純粋にリターンの最大化を追求すれば良い、という場合は、答えはある程度見えているが、家計全体のバランスシートも関係し、事はそれほど単純ではない。
開始時の年齢によって戦略は異なるし、転職や離職によって運用が中断することもある。
このあたりの考え方、対策については別途述べる。
まずは、DCを体感すること、市場が動くというのはどういうことか、そして自分がどう感じるか。
そういったことを3年程度かけて学べば良い。
つまり、自分で理解できる状態を作ることができれば合格である。
超長期の運用であるDCは、成果を焦る必要はないし、時価評価に一喜一憂する必要もない。
1. 各資産・各商品の特徴を学ぶ
学習の情報源を複線化する
研修で説明されたDCのテキストを復習して基本的なことを押さえたら、さらに学習を進めていく。
各資産・各商品について、少しずつ学んでいくことになるが、ここから会社で配布されたテキストや資料以外に当たっていく。
この際に留意してほしいことが、情報源は複数参照して、できるだけ偏りのない視点・知識を身に付けるということである。SNSやネットの記事(当ブログも含む)、あるいは雑誌や書籍など、複数の情報源から学んで、特定の主張や考え、理論等に固執しないことが重要である。
ネットやSNS、YouTubeなどの情報はかなりレベル差があり、不正確なものや煽情的なもの、特定の商品やサービスに誘導しようとするものも少なくない。
また、執筆者が意図していなくても、よって立つ立場で利害や主張、価値観は自然と異なってくるからである。
企業、加入者、金融機関、さらには国家、それぞれの利害や思惑は異なる。
立場や目的の異なる様々な情報源から学ぶことは、視野を広げ、偏りのない思考を持ち、不都合な事実にも目を向けるための基本姿勢である。
情報セキュリティの世界で「フィルターバブル」や「エコーチャンバー」と呼ばれる、自分と同じ思考や耳障りの良い意見だけを受け入れ、排他的になったり視野狭窄に陥ったりする現象を、機械的に排除するためである。
検索をする際に、
・プライベートモードを使ってcookieの影響を抑制する
・自分の考えと異なる意見や反証を探す
といったことも有効だろう。
そうして、できるだけ多様で幅広い知識や考えを身に付けていってもらいたい。
DCの商品ラインナップは、元本確保型と元本確保型以外に大別される
さて、情報の複線化について話したところで、当ブログでは筆者の独自調査と経験に基づき説明していく。
本サイトでお断りしているとおり、情報の正確性・完全性には一切保証はないが、一つの情報として読んでもらいたい。
DCで対象になる金融商品(資産)は、元本確保型と元本確保型以外に大別される。
元本確保型は、文字通り商品提供企業が満期時に元本を保証するので、自分が拠出・購入した商品-例えば定期預金や年金保険-が目減りすることは、原則としてない。
原則、と書いたのは途中解約やスイッチングによる解約控除で元本割れする商品もあるからだ。
DCではそのような商品が企業に選ばれることは少ないが、購入する際は解約時の扱いなどについて、商品説明を確認する必要がある。
元本確保型は、元本を商品提供企業が保証する代わりに金利が低いので、長期ではインフレに負ける可能性が高い。
本ブログでは、老後資金の十分な形成を目的とするので、基本的に資産形成期の商品としては元本確保型を扱わない。
元本確保型以外としては、投資信託(「投信」・「ファンド」ともいう)となる。
投資信託は、様々な有価証券(株や債券)や現物または先物(不動産、金や小麦、原油など)に出資者から集めた資金を投入して運用する、パッケージのような商品で対象となる資産によって次のように分類される。
伝統4資産と代替資産(オルタナティブ資産)、その他資産
伝統4資産
・国内株式
・外国株式(先進国株式を指すことが多いが、新興国株式が含まれる場合がある)
・国内債券
・外国債券(先進国債券を指すことが多いが、新興国債券が含まれる場合がある)
代替資産(オルタナティブ資産)
・REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)
・コモディティ(金やプラチナ、小麦、原油などの現物・先物)
その他資産
・資産複合型(株式、債券、REITなど複数の資産の組み合わせ)
・ターゲットデートファンド(退職年齢に連動してリスク資産の比率を変える投信)
DCの商品ラインナップは、法令で定められた以下の要件を満たす必要がある(主なもの)
・提供本数は35本以内(ターゲットデートファンドで10年、20年、30年などに分かれるものは1本として扱う)
・労使合意が必要(労働組合が無い場合は、労働者の代表)
・リスク・リターン特性が異なるものを3本以上提供する
など
この要件を満たせば、商品選択は企業に一任されており、これらの資産・商品がすべて用意されているわけではない。
ここが、DCのポイントというか弱点が現れる部分でもあり、企業同士の付き合いで似たような商品や手数料の高いアクティブファンドが多く並ぶことがある。
これについては別に述べる。
また、企業によっては自社の社員しか購入できない商品が含まれている場合がある。
それぞれの資産クラスについて、
どのような特長・リスクがあり、どんな局面で上がり、どんな時に下がるのか
を理解する必要がある。
と言ってもそんなに難しい話ではない。覚えること、約束事はそれなりにあるが、少しずつ理解していけば十分である。
繰り返すが、DCは超長期で付き合うものである。

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